事業概要と本学の方針・理念
本学は、文部科学省の令和2年度科学技術人材育成費補助事業である、科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業の実施機関に採択され、「奈良女子大学博士号取得支援SGCフェローシップ」を創設しました。この制度は、優秀な女子学生が経済的負担や学位取得後のキャリアパスに過大な不安を抱えることなく、博士後期課程へ進学し研究できる体制を構築することを目的としています。このフェローシップでは、3年間の修業年限内で博士の学位を取得し、学位取得後のキャリアへのスムーズな移行が可能となるよう、研究力の向上やキャリアパスの確保へ向けた支援策が計画されています。申請者におかれましても、主・副指導教員の方々と十分相談の上、上記の目標が達成可能となるよう、入念な研究計画を立て、自己研鑽に励んでいただくことが求められます。また、指導教員の方々には、上記修業年限内での学位取得に向けた支援体制について、一層の強化をお願いしております。
本学は、教育研究の理念「男女共同参画社会をリードする女性人材養成」に基づき、令和2年度に博士後期課程の全面的な組織改編を行いました。この組織改編では、専門知識に加え、物事を俯瞰する力の育成を強化することで、より高度な主体的判断力・主体的行動力・課題発見力を身につけ、答えのない問題に挑戦していくことのできる女性人材を育成することに力点をおいています。その延長線上には、社会の指導的地位につく女性として、”ガラスの天井”を打ち砕く(Shattering the Glass Ceiling=SGC)姿が期待されています。
事業実施体制
本学のこのフェローシップ事業は、図1のような事業実施体制の下で行います。
本事業の総括責任者は、大学全体の予算・人事に関する権限を有する学長が、実施責任者は、博士後期課程の大学院生に対するフェローシップであることから、大学院人間文化総合科学研究科長が務めます。その上で、大学院人間文化総合科学研究科の中に新たに「奈良女子大学博士号取得支援SGCフェローシップ運営委員会(以下、運営委員会と呼ぶ)」を設け、当フェローシップにおける選考・審査を行うとともに、運営に関わる全般的な統括を行います。
また、キャリア開発支援本部の中に新設する「SGCフェローシップ支援部門(以下、支援部門と呼ぶ)」と連携しながら、その他のフェローシップ事業を進めていきます。キャリア開発支援本部はこれまで、本学におけるポスドクのキャリアパス支援や博士課程在籍大学院生のキャリア支援などに豊富な経験・実績を有しているので、この体制の構築によって、本学における当事業と関連する各種の取組を有効かつ効率的に実施できると期待されています。
キャリア開発支援本部SGCフェローシップ部門は、キャリア開発支援本部長、男女共同参画推進機構長、人間文化総合科学研究科長、社会連携センター長、学務課長、キャリア・コーディネータから構成され、研究・教育・社会連携・大学運営の各組織と直結し、個々のフェローシップ受給者の多様な状況に即した支援を柔軟に提供していきます。